体のケガ、心のケガ
皆さんはケガをしたことがありますか？ ケガといっても色々ありますね。すり傷・切(き)り傷(きず)・打撲(だぼく)・捻挫(ねんざ)・骨折…。軽いケガから、大きいケガまで、ほんとに色々です。全くガをしたことがないという人はいないと思います。
捻挫(ねんざ)を例に考えてみます。捻挫(ねんざ)は、足首などに大きい力が加わって起こります。捻挫(ねんざ)してしまうと、いつもは何でもないことができなくなってしまいます。例えば、歩いたりすると激痛を感じますし、少しさわっただけで、痛みを感じます。無理に動かしたりすると、よけいにひどくなってしまいます。
だから、できるだけよけいな力が加わらないようにテーピングなどをして、安静にします。そして、体の中に元々ある治る力【自然治癒力(しぜんちゆりょく)】で、自然に治っていくのを待ちます。
心のケガは誰にでも起きる
人間は誰でも体だけでなく、心にもケガをします。心のケガは、体のケガのようにはっきり目に見えないのでちょっとやっかいです。でも、目には見えなくても、心にケガをすることはよくあります。例えば、人に悪口を言われて傷ついたとか、大切なペットが亡くなってショックを受けているとか、色々あります。
心のケガを、恥ずかしいことのように思って、隠そうとする人がたまにいます。でも、心のケガは、どんな人にも起きます。だから、別に恥ずかしいことでも何でもありません。一度も体にケガをしたことがない人がいないことと同じです。
心のケガが起きると
心にケガをしてしまうと、体のケガと同じように、今までと同じことができなくなってしまいます。人に悪口を言われて傷ついてしまった場合を考えてみます。人の悪口が心に突き刺さってしまい、心がケガをしてしまうわけです。
心に傷を受けると、いつもは何でもなかったようなことができなくなります。捻挫(ねんざ)の時と同じです。例えば、他の友達と普通におしゃべりをしているだけで、心に痛みを感じてしまいます。無理に明るくしようとしたりすると、よけいに心が苦しくなったりします。悪口を言われたときのことを思い出すだけで、心が苦しくなってしまうときもあります。
こういったことは、捻挫(ねんざ)した時に歩くと痛いのと同じで、心にケガをしてしまったら誰にでも起きる当たり前のことです。
普通におしゃべりをしても、心が痛くなるのはなぜでしょうか。捻挫(ねんざ)したときには、少しさわっただけで痛みを感じると思います。捻挫(ねんざ)させるほどの力ではなくても、痛くなってしまうわけです。それと同じで、心にケガをしていると、心を傷つけるような言葉ではなくても、心に痛みを感じてしまうことがあります。
心のケガはどうやって治す
足を捻挫(ねんざ)しているときに、足腰を鍛(きた)えるために走り込みをしたりするのは、非常におかしいことです。まだきちんと治っていないときにそんなことをしても、かえって捻挫(ねんざ)を悪化させてしまうでしょう。
つまり、体のケガの時は、無理に動かしたりしないで安静にして，自分の力つまり、自然治癒力(しぜんちゆりょく)で体が治るのを待ちます。心のケガもこれと同じです。
無理に明るくしたり、無理に苦しいことをしたりして、治そうとするのは間違っています。体のケガと同じように安静にして、自分自身の自然治癒力(しぜんちゆりょく)で自然に治るのを待ちます。
心を安静にするのにはどうすればいいでしょうか？ 心の安静とは、自分自身の心が静か（安静の静）になっていること、心が安心（安静の安）できることです。だから、自分の心が落ち着いたり・ゆったり・安心できるようなことをすることです。
例えば、好きな音楽を聞くとか、趣味に取り組むとか、好きな友達とおしゃべりするとか、こんな時に、心の安静が保たれていると思います。あわてないで、自分の心を大切にしていると、自然と心のケガが治ってきます。
自分の力だけではケガが治らないとき
例えば、切り傷ぐらいなら、自分できちんと消毒して、絆創膏(ばんそうこう)をはるとそのうちケガが治ります。でも、ひどい捻挫(ねんざ)や骨折は自分だけの力ではきちんと治らないので病院へ行ったりします。
それと同じで、ちょっとした心のケガは自分ひとりの力で治ります。でも、自分の力だけではなかなか治らないような心のケガがあります。そういったときには、他の人の力を借りることが大切です。あなたの意見やペースを大切にしてくれる人が理想です。
そんな人に、きちんと話を聞いてもらうことから、心のケガを治すことが始まります。
スクールカウンセラーも、皆さんの心のケガが治るようなお手伝いをすることができます。ぜひ、辛くい気持ちがあるときは、ぜひ相談に来てください。
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