スクールカウンセラー便りの具体例 17 ストレスコーピング

 皆さんは学校や友人関係などで、色々と大変なことや疲れることがあるかもしれません。そういう時には、「ストレスがたまる」感じがすると思います。ストレスをためないためには、ストレスそのものはなくすことができない時には、ストレスに対処することが大切ですね。ストレスへの対処を「ストレスコーピング」と呼びます。

ストレスコーピング

 ストレスコーピングはストレス対処法のことですが、大きく2つに分けられます。1つは、「認知コーピング」でもう一つは「行動コーピング」です。

 認知コーピングは、考え方や考えていることを変えることでストレスに対処する方法です。行動コーピングは、活動や行動することでストレスに対処する方法です。具体例をいくつか挙げてみます。

認知コーピングの例

妄想にふける、好きな物(人)のことを考える、楽しかった思い出を詳しく思い出す、あきらめる、自分をねぎらう、自分をほめる、感覚に集中する

行動コーピング

ダラダラする、寝る、無意味な行動をする、趣味を楽しむ、掃除などの家事をする、筋トレをする、散歩をする、走る、好きな飲み物をゆっくり飲む、自分をマッサージする、(大声で)歌う

色々な種類のコーピングを使おう

変わったコーピング

上でも紹介していることと重なりますが、ちょっと変わったコーピングがあります。「変なポーズや動きをする」というコーピングがあります。不思議なダンスを踊ったり、人前ではとてもできないような変わったポーズをしたりするのです。これは、研究で効果が確かめられている良い方法なのです。簡単にできますので、自分1人の時に試してみてください。

ちょっと難しいコーピング

いつでも使えて効果的なのですが、少し練習が必要なコーピングも紹介しておきます。それは「感覚に集中する」というコーピングです。例えば、聞こえてくる音に集中します。いくつかの音が聞こえてきていたら、一つ一つ順番に集中します。その後で、3種類ぐらいの音を選んで、その3つ音に同時に集中します。ちょっと難しいのですが、効果的なコーピングです。体の触覚(物に触れている感覚)に集中することも良い方法です。足の裏が地面や床に触れている感覚に集中したり、自分で自分の顔や手の平に触れてその感覚に集中したりするのです。

コーピングのレパートリーを広げよう

すごく効果のあるコーピングでも、いつでもどこでもできるとは限りません。例えば、大声で歌うことや筋トレは効果のある行動コーピングですが、学校ではやりにくいと思います。色々な種類のコーピングを使えると、場合によって使い分けられるのが良いですね。

記事の執筆

半田一郎(公認心理師・臨床心理士)

著作権は、執筆者に所属しますが、スクールカウンセラー便りに利用する場合に限って、自由にご利用いただけます。その際には、発行後で構いませんので、ご連絡をお願いします。スクールカウンセラーのお名前、学校名、発行日をお問い合わせフォームからお知らせください。

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