スクールカウンセラー便りの具体例 3 勉強方法について

効果的な勉強方法

スポーツの秋、読書の秋・・・色々な秋がありますが、勉強の秋に向けて「勉強のコツ」を心理学の視点からお届けします。

丸暗記より、意味を理解しよう

丸暗記した記憶は、すぐに脳から消えてしまいます。ある実験では、丸暗記したものは記憶して1日後には60%以上を忘れてしまうそうです。丸暗記はあまり効果的ではありません。

でも、反対になかなか忘れにくい記憶があります。それは、意味をきちんと理解した記憶です。前後のつながりを理解したり、他の事柄と比較したりして理解した記憶は、脳の中に非常に長く残ります。せっかく勉強するのですから、きちんと意味を理解して勉強することをおすすめします。

目と手と口と耳で覚えよう

できるだけ意味を理解して勉強するとしても、英単語や漢字は、暗記することが大切ですね。みなさんは、何かを暗記するときにどんなふうに勉強していますか? せっかく努力するのだから、できるだけ効果的に暗記できる方法で勉強したいですね。

一番のおすすめは、脳や体の様々な部分を働かせて暗記することです。英単語なら、ノートに何度も書き写して、目と手を働かせます。そして同時に、声に出して単語を読んで、口と耳を働かせるのです。

友達に勉強を教えよう

友達に勉強を教えるのは、「自分の時間がとられて自分の勉強が進まなくなる」とか、「友達が勉強できるようになって、自分が損だ」とか、考える人がいるかもしれません。でも、この考えは大きな間違いです。

人はそれぞれ、違う筋道を通って考えるものです。自分が間違うところと、人が間違う場所は違います。だから、自分で勉強して自分が分かっただけでは、自分の間違いを解決しただけです。

人に勉強を教えることは、他の人が間違う場所も解決することになります。つまり、また違った角度で、自分が勉強し直すことになります。そうすると、より深く学習することになりますし、脳に深く定着することになります。

人を助けるのは、その人のためになるだけではありません。必ず、自分自身にプラスになるのです。たぶん、人間はそうやって助け合って生きることで、最も能力を発揮できるのだと思います。

記事の執筆

半田一郎(公認心理師・臨床心理士)

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