スクールカウンセラー便りの具体例11 自分への思いやり

自分への思いやり

カウンセリングでは、自分が自分に思いやりを持つことを大切にします。でも、自分に思いやりを持つと、わがままになったり怠けたりするのではないかと思う人もいるかもしれません。そこで、今回のお便りでは「自分への思いやり」について考えてみたいと思います。

自分の中の色々な自分

自分の心の中には、色々な自分がいます。例えば、学校の自分は一生懸命頑張っている自分かもしれません。家の自分はリラックスしてのんびりしている自分かもしれません。友達と遊んでいるときの自分は元気に楽しんでいる自分かもしれません。どんな人にもちょっとずつ違った色々な自分がいるのです。

色々な自分がいるのはどうして?

人は生きていると、様々な場面や状況に出会います。それぞれの場面や状況で自分の力を発揮するために、色々な自分があらわれてきます。頑張っているから色々な自分がいるのです。色々な自分がチームになって協力しているから頑張れるのです。

色々な自分が他の自分とケンカする

でも、一生懸命頑張っていると、「あのときの自分がもっと頑張っていれば良かったのに」と思うことがあります。そうすると、自分で自分を攻撃したり否定したりしてしまいがちです。もしかしたら、「自分ってバカだなぁ」と思ったり、「自分はダメだなぁ」と考えたりしてしまうかもしれません。自分の中の色々な自分がケンカしてしまうのです。

辛いときこそ自分への思いやりを大切に

一生懸命頑張っているからこそ、色々な自分がいるのです。色々な自分がチームになって協力し合って、色々な場面や状況で頑張っているのです。だからこそ、色々な自分同士でケンカしないで、自分自身で自分を思いやることが大切なのです。

辛い気持ちや苦しい気持ちが強いとき、自分自身に腹が立つときには、自分への思いやりを大切にしてください。「自分なりに頑張ったなぁ」「自分にも良いところがあるなぁ」などと思ってください。こんなふうに自分を思いやる言葉を、自分自身に言ってあげることもお勧めです。

人に頼ることも自分への思いやりです

それでも、自分への思いやりが大切にできないことがあります。そういうときは、味方になってくれる身近な大人に頼ってください。辛い時や苦しい時に、人に頼ることは自然なことです。人に頼ることも、自分への思いやりです。少し頼ってみると、自分でも自分を思いやることができるようになると思います。

スクールカウンセラー 〇〇〇〇

記事の執筆

半田一郎(公認心理師・臨床心理士)

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