スクールカウンセラー便りの具体例12 腹が立つ感情と隠れている感情

腹が立つ感情と隠れている感情

今回のお便りでは、感情の中でも腹が立つ感情(怒りの感情)に注目してみます。皆さんはどんな時に腹が立つ感情がわいてきますか? 例えば、友達にイヤなことを言われたときに、腹が立つかもしれません。また、自分だけ仲間はずれにされたときにも腹が立つかもしれません。そもそも感情は自然なもので、もちろん腹が立つ感情も自然なものです。でも、腹が立つ感情を自分や他の人にぶつけてしまうと、余計に辛くなってしまうかもしれません。だからこそ、腹が立つ感情と上手につきあっていくことは非常に大切なことなのです。

隠れている感情(一次感情)に気づこう

ほとんどの場合、腹が立つ気持ちの裏側には色々な感情が生じています。人の心は複雑で、一度にたくさんの感情を感じることは良くあることです。例えば、イヤなことを言われたときには、腹が立つだけではなく、悲しい気持ちや悔しい気持ちも生じていることがあります。仲間はずれにされたときには、寂しい気持ちや辛い気持ちも生じていることがあります。

腹が立つ感情は心の表面に出てくることが多いので自分でも気づきやすいと思います。反対に、悲しい気持ちや寂しい気持ちなどは心の底の方にあることが多いので、腹が立つ感情の影に隠れていて気づきにくいのです。実は、心の底に隠れていた感情がもともとの感情で「一次感情」と呼ばれます。腹が立つ感情はその一次感情から生じたという意味で「二次感情」と呼ばれます。

一次感情に気づいたら

実は、心の底にある一次感情に気づくだけで、不思議に腹が立つ感情は小さくなってきます。全ての感情は自然なものです。一次感情に気づいたら、「その感情がわいてくることはは無理もない自然なことだ」と頭の中で考えてください。言葉にして、「辛いのは自然だし、辛いのは無理もないなぁ・・・」と頭の中で繰り返してみることもお勧めです。そして、ゆっくりと息を吐いて深呼吸をしてください。自然と辛い感情が小さくなってくると思います。

もし、辛い感情が大きすぎて辛くてたまらないときには、味方になってくれる身近な大人にお話ししてみてください。皆さんをサポートしてくれると思います。

スクールカウンセラー 〇〇〇〇

記事の執筆

半田一郎(公認心理師・臨床心理士)

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